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呪われた王宮~宿命を負う聖少女の物語
第61章 水晶の魔力(アズート)
「さて・・・・」

荒くなりそうな鼻息を押えながら、アズートは念じていった。
そして皺がれた指で、水晶の廻りをなぞっていくのだった。

「んっ・・・・・」
王妃の唇から吐息が漏れた。

アズートの指にシットリとした弾力が返ってきている。
ゆっくりと指を動かしていく。

「ふっ・・・・」

マチルダの眉がピクリと動いた。
アズートの指が、何かを包むようにしている。

「ふっ・・・んふぅっ・・・」

マチルダの形の良い唇が割れ白い歯が一瞬、覗かせた。
アズートの指の動きが複雑になっていく。
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