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呪われた王宮~宿命を負う聖少女の物語
第64章 匂い(アズート)
(どうして・・・?)

何度も投げかけた言葉がむなしい。
もう十数年になろうというのに。

忘れかけていた記憶なのに。
忌まわしい邪念が蘇る。

毎夜見る悪夢は徐々にエスカレートし、マチルダを苦しめていた。
最初の内は目覚めた時に記憶が無かったのに、今ではハッキリと覚えているのだ。

『ああああ、ほ、欲しい・・・』
自分が言った言葉だった。

醜悪な大蛇に絡みつかれながら腰をくねらせ求めていた。
そして無数の蛇達と交わるのだ。
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