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呪われた王宮~宿命を負う聖少女の物語
第99章 母とディオン(アズート)
「あっ・・・ああ・・・ああっ・・・」
母の声が聞こえている。
「感じておる・・どうじゃ、ルナ・・・?」
「あっ・・あふぅっ・・・・あああ・・・」
ルナの吐息も大きくなっている。
「お前のも母の血が流れておる・・・。よく見るのじゃ・・・・・。あの喜びに満ちた顔を」
「お母・・・様・・・・」
かすれた視界の中に母の姿がいた。
先ほどまで切なげに揺れていた母の瞳は、長いまつげに覆われ笑みさえも浮かんでいる。