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ベターハーフは何処にいる
第2章 初めての片想い
服を着て、少しすると豪ちゃんが本当に迎えに来た。


「あれ?
翔子さんと一緒じゃなかったの?」

「ああ。
送って行ったよ?
それで大丈夫なのか?」

「うん。
森田くんが介抱してくれたから」

「森田、サンキュー。
こいつ、弱い時もあってさ。
ほら、下にタクシー待たせてるから、
行くぞ?」

「森田くん、ありがと。
またね?」と言って、
バッグを斜め掛けした。


「ベンジャミン、お水あげないとね?」と森田くんに言って、
部屋を出て、
タクシーでマンションに向かった。


豪ちゃんの部屋に入ると、
微かに香水の香りがした。


「翔子さん、ここに来たんだ?
どうだった?」

「どうって?」

「キスとか、それ以上、
したの?」

「愛ちゃん、オッサンみたいだぞ?」

「紅くなってる!」

「お前たちはどうなんだ?」

「そりゃ、勿論…」

「勿論、なんだよ?」

「教えてあげない!
豪ちゃん達と同じ位じゃない?」と言うと、
豪ちゃんはソッポを向いた。


そして、
「愛ちゃん、気をつけなよ。
森田は良いヤツだけど、
普通のオトコは危ないからな。
何されるか解らないから」と言った。


「やだ。
豪ちゃんたら、
森田くんと同じこと、言ってる」


「いや、ホントだよ。
お前、自覚ないけど、
身体つきエロいし、
素っ気ないトコがまた、唆られるし、
そのくせ、ちょっと怯えた顔とかされたら、
堪んないんだからさ」


「それこそ、豪ちゃんてば、
オッサンみたい」


「とにかく、気をつけてくれよ。
部屋に戻ってなくて、
心配で死にそうだったんだぞ」


「はいはい。
お兄ちゃん、解りました」


「お兄ちゃんって、
1日しか違わないだろ?」




そんなことを、言い合って笑っていたけど、
水面下でトラップを仕掛けられてるのに、
私達は気づいてなかった。
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