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ベターハーフは何処にいる
第3章 いきなりの失恋と喪失
12月後半から1月前半は、
実家の行事やご挨拶周りでバタバタしてしまっていた。

予備校もお休みしなければならず、
森田くんにも、連絡出来ないままでいた。


豪ちゃんのトコもそんな感じだった。


そして、成人式の日、
久し振りに森田くんと会えた。

あの夜から1ヶ月ほど経っていて、
その間、LINEで少しだけやり取りはしたけど、
お互い、相変わらず電話とかはしていなかった。


一度だけ、森田くんからの着信があったのに、
祖父母の処だったから、折り返しも出来ないままだった。


レンタルの派手だったり、
奇抜だったりする振袖に、
制服みたいに白くてフワフワのフォックスのショールを巻いてる女子の中で、
私は古典柄の作家ものの加賀友禅の振袖に、
母のお下がりのたっぷりした黒いミンクのストールで、
物静かな装いだった。

バカ殿みたいな黒紋付きに仙台平の袴姿の豪ちゃんにエスコートして貰って会場について、
久し振りの地元の同級生にも会えて、
そんな中に勿論、森田くんの姿もあった。


嬉しくて小走りで駆け寄ると、
少し眩しそうな顔をした後、
物凄く哀しそうな顔をされて、
「えっ?」と思う。


「森田くん、どうしたの?」と言う私の後ろから、

「葉さーん!
お待たせしました!!」と甘ったるい声がした。

ゆっくり振り返ると、
翔子さんが勝ち誇ったような顔で笑っている。


「あら、まな先輩!
素敵な葉さん、紹介してくださってありがとうございます」と言うと、
森田くんの腕に自分の腕を絡めて、
「あっちに車、止めてるので」と言うと、
あっという間に連れ去ってしまった。


何が起こったのかも、
理解出来なかった。


豪ちゃんが私の隣に来て、
「どうした?
愛ちゃん?」と言われた時、
私の目からは涙が溢れていた。


「えっ?
何?
腹でも痛くなった?
車に戻ろうか?」と、
私の手を引いて歩き出した。
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