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ベターハーフは何処にいる
第6章 会いたい
クリスマスソングが流れて、
イルミネーションが美しい季節になったけど、
私は相変わらず、仕事ばかりで、
時々、豪ちゃんと呑む程度の日々だった。


流石に豪ちゃんとイチャイチャすることはなくなった。

でも、森田くんの声を聴くのも、
なかなかタイミングが合わなかった。


そんなある日、
法廷の帰りに小百合先輩が突然倒れてしまって、
慌てて救急車で病院に行くことになった。


事務所に電話をして、
ご主人様の連絡先を聞いて電話をした。

お子様のお迎えに出ていたようで、
会社の電話では捕まらなくて、
携帯もなかなか繋がらず、
夕方、ご自宅に掛けた電話の留守電を聞いて、
慌てて折り返してくれた。


小さいお子様を2人抱えて病院に来た時は、
まだ、ICUから出てきてなくて、
待合室で上のお子様を私が抱っこして、
下のお子様はご主人様がベビーカーごと揺らすようにして、
ひたすら待っていた。


事務所からもサポート事務を取り仕切っているベテランの方が来てくれた。


そして、とても哀しいことをその後、告げられてしまった。


お若いのに、くも膜下出血で、
手術がとても難しい場所にある。

開頭手術をしても、
助かる確率はそう高くはない。


そう説明されたそうだけど、
俄かには信じられなかった。


それでも…。

ご主人様は助かる確率があるならと手術の同意書を書かれていた。


事務所から連絡をしたらしく、
遅い時間に小百合先輩のご両親様も病院に駆け付けた。


そして、翌朝、
長時間に渡るオペの後、
小百合先輩は帰らぬ人となってしまった。


「保育園に行かないの?」と私にニコニコ話し掛ける上のお子様に、
なんと説明するんだろうと考えただけで胸が苦しくなる。

下のお子様は、
ママの顔さえ、覚えてない乳児で…。


「泣いてるの?」と、
上のお子様が、タオルハンカチを出して拭いてくれる。


ご主人様が、
「ありがとうございました」と頭を下げているのを見ていたら、
豪ちゃんが迎えに来てくれた。


事務の方が、
「今日は寝てないから、
そのまま休んでください。
言っておきますから」と言われて、
豪ちゃんに抱えられるようになんとか帰宅した。
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