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ベターハーフは何処にいる
第6章 会いたい
豪ちゃんは、本当に森田くんに、
「お前、日本には帰らないのか」ってことと、
「愛ちゃん、淋しがってるから、
ちゃんと電話しろ」ってことを言ったみたいで、
翌日、森田くんからめずらしく電話があった。


それなのに、
私は豪ちゃんのおバカな話ばかりしちゃうし、
なんとなく話が噛み合わなくて、
本当に訊きたいと思っていた森田くんの気持ちも訊けず、
小百合先輩の話も出来ず、
アメリカに行きたいという話も出来なかった。


なんなら、アメリカのロースクールに入ろうかなとか、
森田くんのトコに住んじゃおうかなと思っていたけど、
それ自体、おままごとみたいな、
うわついた話で、
ちっとも現実的ではないように思えた。


一緒に予備校に通っていた頃は、
話し方や声、
それにクールな横顔にドキドキしていたけど、
本当に私、森田くんのことが好きなのかも、
判らなくなっていた。

単なる憧れ。

正確に言うと、
恋に恋してる自分に酔っていたような気がしてきてしまった。


樹ってヒトとの一件も、
私の心の奥に、
暗い影をいまだに落としていた。


それは、森田くんも同じだったのかもしれない。


近くで、好きだって口にして、
お互い、良く判らないのに、
表面的なことに惹かれあっていただけだったのかもしれない。

樹ってヒトとの件で、
自分のせいかもしれなかったという負い目も持っているようだった。


そして、何より、
こんなに会えない期間が長くて、
声もろくに交わせない状況に対して、
何も行動しない。


そして、本当に結婚を考えるなら、
いくら2人の気持ちが一番大切だとしても、
周りの家族の気持ち、
祝福してもらえる状況を作る努力も必要に思えた。

私は一人っ子だから、
余計にそのことを感じてしまっているけど、
そんな話をする機会も全く持てていなかった。



そのこと自体も、
2人の気持ちがふわふわとした泡のようなものだったように思えてしまった。
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