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第6章 会いたい

「えっ？
愛ちゃん、どうした？
腹でも痛くなった？」と豪ちゃんが言うから、
可笑しくて、泣きながら笑ってしまった。


「森田くん、
本当に私のこと、
好きなのかな？」

「えっ？」

「私から連絡しないと、
電話もくれないよ？
折り返しもないし」

「忙しいんじゃない？
ほら、アメリカだしさ。
大変なんだろ？」

「豪ちゃんは、
ちゃんと電話もしてくれるよ？
私がまいってる時は、
隣に居てくれる」

「まあ、愛ちゃんは、
妹みたいなもんだからな？」

「そうだよね？
妹だもんね？」と言うと、
豪ちゃんは私をギュッと抱き締めてくれる。


「日本に戻ってくるように、
言ってみようか？」

私は首を横に振った。


「大丈夫。
それより、もう着物、脱ぎたい」と言うと、
豪ちゃんは嬉しそうに、

「じゃあさ。
悪代官ごっこさせて？」と笑う。


「もうっ！
豪ちゃんのバカ！」と言うと、

「オトコなんてさ。
みんな、バカなんだよ」と言うと、

「良かった。
愛ちゃん、やっと笑った。
じゃあ、部屋に帰るわ。
なんかあったら、電話な？」と言って立ち上がると、
スタスタと本当に私の部屋から出て行ってしまった。



私はポカンとした後、
クスクスと笑いながら着物を脱いだ。