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第7章 スキャンダル

モヤモヤとした気持ちのまま、
仕事始めを迎えた。


今年のヴァレンタインデーも、
豪ちゃんとおバカな話をしながらテキーラでも呑んで過ごすのかなと思っていたら、
1月の終わりにとんでもないことが起こった。


週刊誌に、実名ではなかったけど、
明らかに豪ちゃんのことだと判る書き方で、
酷い記事が載った。


代議士の息子。
大学在学中に暴行事件を起こして示談で不起訴。
親の力で揉み消ししたのか。


そんな記事だった。


そのうち、実名報道もされるようになった。


マンションの下にもワイドショーや週刊誌の記者やレポーターが押し掛けてきて、
お父様の処にも同じような状況だということだった。


「豪ちゃん、これ、なに？
どういうこと？」と訊いても、
首を振って何も教えてくれない。


「そのうち、沈静化するだろう」と、
呑気なことを言って笑っていたけど、
私は笑えなかった。


私の両親も心配していた。


豪ちゃんのお父様の選挙への影響も懸念された。



そして、
自分の事務所の人に調べて貰って、
私の知らなかったことで、
豪ちゃんが追いかけ回されていることを知った。


暴行事件は、大学4年の時で、
恋愛関係のもつれで、同級生の男子を殴ったということで逮捕された後、示談が成立して不起訴になったということだった。


えっ？
これ、何？

恋愛関係のもつれって？


私は混乱しながら、
豪ちゃんの部屋に行った。