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自分の為のBL
第1章 雨
今日もまた、雨だ。 窓から覗く景色は薄暗く煙っていて、サラサラと音を起てて落ちる雨は、自分の陰鬱とした気持ち そのままに降ってきている様な気がした。
「はぁ…」
勝手に溜め息が一つ、奥の方から漏れて行く。 幸せが逃げたって構わない。 それよりこの、心に重たく吹き溜まったモノを 少しでも出して仕舞えるなら…
見下げた通りを過ぎて行く、派手な色の傘を見送り、もう一度。
込み上げた溜め息をそのまま吐き出そうとした時、後ろでドアのノックが聞こえた。