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愛妻を抱かせる
第2章 カミングアウト
また失敗か。

どうせこんなものだ。

私に交渉や説得の才能はない。

もっと上手に出来る人はいくらでもいるんだと思うが、

悲しいくらい私にはその手のセンスがない。

とにかく正面突破しか方法を知らない。

「そうだね、ちょっとエッチなこともある感じだね。

嫌だよな、やっぱり…」

私は続けた、

「俺、無理だよ。もう我慢できないんだ。

これってな、知ってると思うけど寝取られっていって、

俺にはそういう性癖があるんだ。

お前が誰かに抱かれているところが見たくて仕方ないんだ。」

「それって、なんとか自分で処理出来ないの?

DVDとか持ってるでしょ?ネットでもいろいろあるでしょうし、

私の写真だってたくさん撮ってたじゃない。

なんなら外でそういうアソビが出来る女の人と

付き合えばいいじゃない。私に分からないようにしてくれたら

その方がよほど辛い思いしなくて済むから。」

「違う。それじゃダメなんだよ。

お前じゃなきゃダメなんだよ。お前のことが好きすぎる。

俺の妻であるお前が最高に愛おしくて、どうしたって

説明できない。分かってももらえないと思うけど、

お前以外の女とこんなアソビをしたって何も楽しくないんだ。

もう、どうしたらいいか分からない。」

私は顔を上げ、妻の顔を見た。

怖かったが見た。

当然だが妻の表情は固いままだ。

だが私は続けた。

「別れるしかないよ。子供はもう手が離れたし、

俺はお前のことが好きすぎるから、

今後もこんな要求ばかりしてしまうと思う。

お前に辛い思いばかりさせてしまうと思う。

ごめんな…最悪だよな…

これまでいろんなところに旅行にも行ったし、

いろんな映画も一緒に観て、

いろんなものを一緒に食べて、

いろんな経験をお前としてきたから、

これだけは別とはいかないんだ。

お前とじゃなきゃ…ダメなんだよ、

でもこれ以上一緒にいると、

お前を傷つけることにしかならないよな。

俺はもう、お前と一緒にいることは無理なのかもしれない。

お前も嫌だろ?こんな訳の分からないこと言う夫なんて。

別れてくれよ。好きなのに他の男に抱かれろなんておかしいよな、

理解できるはずないよな、ごめんな。」











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