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第1章 － Prologue －

キーンコーンカーンコーンと放課後を告げるチャイムが鳴る。
ガヤガヤと教室から出ていく生徒。
30分もすれば、残るは数名まで減って行きグラウンドから掛け声が聞こえ始める。

「文っ、部活行こう！って思ったけど…沢渡先生の所。だっけ」

「あ、うん。ごめん。多分今日部活行けないや。」

「了解、じゃぁまた明日ね！」

同じ水泳部のクラスメイトに手を振って見送る。
静かな校舎内。
スクールバッグを肩にかけて、小さく息を吐けば、とある場所へと足を運んだ。




「えっと、ここであってた…はず」




滅多に人が来ない場所、まるで隠し部屋とも言えるような。
扉にもどこにも誰の、何の部屋なのかは書かれていない。
ノックをして、中から聞き覚えのある声が聞こえればホッと胸を撫で下ろす。


「沢渡先生、失礼します。3年××組の成海文です」


そう言って1歩、足を踏み入れたこの日から彼女の人生は大きく変わることなど彼女自身想像もしていなかったであろう。



これは彼女と、とある教師との物語。