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先生の言いなり
第5章 - Ep.4 カガイ カツドウ -
肩で息をする私に、隣に乗る先生はさらに鬼畜な言葉を続ける。

「もう着くぞ。目的地」

「…鬼か!」

「ほら深呼吸、深呼吸」

言われた通りに息を整えつつ体を起こす。
ジャージの上着のファスナーを上まで上げて大きく息を吐く。
◯◯体育センターの前で車が停る。

「ありがとうございました」

「あ、成海ちょっと」

「今度はなんですか」

少しイライラしながら振り返れば手首を捕まれ唇を奪われる。

「終わったら連絡しろよ」

「し、しませんよ!また学校で! ありがとうございました」

先生の手を振り払って車から降りて扉を締める。
エナメルを肩にかけぺこりと頭を下げればハザードを点滅させ出発する先生の車。
そんな車の後ろを眺めつつハッとする。
連絡しないなんて言ったけど、下着類を持ちに行かねば。

「なんなの…」

ぽつりと呟きつつも、補講前よりも先生と話す機会、関わる機会が増えて嬉しい自分もそこにはいた。




時間ギリギリで集合場所には間に合った。
部員たちのタオルを畳みながら美冬が声を潜め話しかけてくる。

「どーよ、補講は」

「どうって?」

「あんたなんとも思わないの?沢渡先生って、ファンクラブがあるほど人気で、抱かれたい教師NO.1って言われてんのよ?」

美冬の言葉に手が止まる。
あの人が抱かれたい教師NO.1?
確かに容姿もスタイルも物申すことなんて何も無い。
しかしそれは表の顔であって、裏はドスケベ ド変態の鬼畜教師。
でも…分かってて私はそれに逆らえない…?
自分を分析してしまって思わず大きな溜め息が盛れる。

「どしたの」

「や、なんもない。 私トイレ行ってきてもいい?」

「ああ、うん」

一言、美冬に声を掛ければ女子トイレへと向かう。
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