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先生の言いなり
第5章 - Ep.4 カガイ カツドウ -
暫く車が走り、止まった先は私の住んでる町でも都心の方にある大きなショッピングモール。
母と2人だけではこんな方まで来ない。
そもそも、私の記憶の中では母と来た覚えがない。
だから先生とここに来るなんて思わなかった。

「……おっきい」

「こんな方まで来ないか?」

「はい。私の記憶の中では…」

「そーか」

立体駐車場へと車が入っていく。
車が停められ先生がシートベルトを外しじっとこちらを見る。

「なんでしょう」

「いや、なんでもない。ちょっと待ってろ。」

「えっ…」

そう言って先生が車を降りてショッピングモール内に消えていく。
待ってろと言われても…。
先生が行ってからシンとする、車内。
おしりが冷たい。ほんとに最悪…。
醜態を何度も見せてるのに引かずにそれでも繰り返しいじめて来る先生。
あの人はSなんだろうか…。
それともただ、女子生徒に意地悪して興奮してる変態?
先生のことを冷静に分析すればするほどやばい人にしか思えない。

でも、あの人とまた、1度も関係を持ってない。
いかせるだけいかせて…本当にそれだけ。
私以外の女の子とはしてるんだろうか…。そもそも彼女は…。

考え出したらキリがなくて、モヤモヤする。
車の中を見渡すも女の人の影なんてなくて、独身の男の人って感じの車内。
いつもの先生の香りがする。
車の芳香剤だったのかとちょっと納得。

「にしても遅いな…私も行けばよかった」

と言いつつ、びしょびしょのジャージで出歩く勇気はない。
溜息を吐いた時、先生が両手に紙袋を抱え戻ってきた。

「いやぁ、最近の女子高生のブランドは分からん」

「え? 何買ってきたんですか…?」

「服だよ、服。お前の。そのズボンじゃ帰るに帰れんだろ」

さも、当たり前だろう?と言った顔でこちらを見る先生の行動に嬉しくて表情筋が緩む。

「しかし、成海の好みに合うかどうか…」

「いや、その…ありがとうございますっ…!っていうかお金」

「いらんいらん。生徒からお金取る教師がどこにいるんだ」

「でも…」

「いーから。後ろで着替えて来い」

言われるがまま車の後部座席で先生の買ってきてくれた洋服を手に取る。
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