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すぐ読める官能小説集
第2章 『リモート新人教育』
桐生和樹は、イライラしながらPCのモニターを見つめていた。

彼のイライラの原因は、三隅麗羅のことだった。
三隅麗羅(みすみれいら)今時の女の名前だ。
今年、新卒で入った女。

一見すると人当たりもよく、愛想もいい。
そして人懐っこい笑顔。

「センパ〜イ。前回の研修レポートどうでした〜」
間伸びした声を出す麗羅。
彼女の甘ったるい声がよけいに、甘ったるさを感じさせる。

「三隅さん。再提出です。何がいけないのか、提出して頂いたレポートの欄外に記載してあるので、確認の上、再提出をお願いします」

あくまで、業務上の必要事項を伝えるということを重視して、感情的な言葉づかいにならないように心がける。

しかし、内心は全く別で、モニター越しにいる三隅麗羅の態度に彼のイライラは爆破寸前だった。

三隅麗羅の研修を受ける態度は、他の受講生とは違い全くヤル気がなく毎回提出してもらう研修レポートもいつも合格点を出さず、再提出になる。

そしてそんな三隅麗羅の尻拭いというフォロー係に、彼が抜擢された。
彼はかつて、新人教育を担当していたことがあり、その時の新人教育がなかなか好評だったため白羽の矢が立った。

だが……。
『もうあの時とは時代が違う』
彼の心の中に流れてる感情はそれだった。
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