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すぐ読める官能小説集
第2章 『リモート新人教育』
彼が新人教育を担当していた頃は、まだまだパワハラやセクハラなんて言われない時代で、今の時代のようにそういうことが騒がれる前の時代だった。

もちろん、彼の新人教育もスパルタだった。
ついてこれない者には容赦しなかった。

だが今は違う。
ついてこれないのは、新人のせいではなく、教える講師側の教え方に問題があるとされる。
それに少しでも厳しいことを言えば、パワハラだなんだと言われる。
そもそも今、彼がやっているフォロー係なんていなかった。

『何もかも甘いんだよ』
心の呟きが、外に漏れてしまいそうになる。

そして今、モニターの目の前にいる三隅麗羅という女は、そういう時代に入った新人だ。
三隅麗羅はそういう時代に入った新人の典型例な女で、社会や会社組織というものに対して舐め腐った態度を取ってる。

「センパ〜イ。今日もお説教ですかぁ〜」
めんどくさそうに、あくびを噛み殺して、三隅麗羅は媚びた視線を彼に送る。
『ふざけやがって』

このモニター越しの女が言うような説教など、するわけない。
こっちは、このクソ女が言うような説教などせず、クソ女のない、いいところを捏造してまで褒めてなんとか水準通りのレポートを提出させようとしてるのだ。

「三隅さんにはみんな期待してるんですよ。だから、なんとか頑張って欲しいんです。三隅さんは言葉の選び方が上手だから、後は要点だけちゃんと抑えれば、わざわざこんなフォローアップなんていらないと思うんですよ」

心にもないお世辞をこのクソ女に言う。
「センパ〜イ。レイラのことよくわかってる〜。そ〜なんですよ〜。レイラ頑張れば出来る子なんです」

『このクソ女……』
三隅麗羅の態度に、彼はアレを送ることを決意した。
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