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ひまわりの花束
第23章 頑張ったごほうびなんて
そしていつもの様に私を抱きかかえるようにして
「おやすみ」と耳元で囁いた。

「おやすみなさい」そう言うと、薄暗い部屋に沈黙が流れる。

もう寝よう。そう思い目を瞑るけれど、30分は過ぎているのに眠れない。
そうさんはもう寝たのかな?気になるけれど、抱きかかえられていて、顔が見えない。
何も言わず、身動き一つしないので、もう寝ているのかもしれない。
そんな事を考えながらそっと寝返りを打つようにして少しそうさんから離れようとしたその時
「眠れないの?」その声にそうさんがまだ寝ていなかった事に驚く。

「眠れなくて、あ、でも、もう寝ます。おやすみなさい」
慌てて目を瞑り、元の位置に戻る。

「ごめん」頭の上からそうさんの声が聞こえる。

「私こそ、ごめんなさい」私も素直に言える。

「俺があんなこと言わなかったら、ちーちゃん嫌な思いしなかっただろうなって、ずっと思ってた。嫌な思いしながら仕事しなくてすんだろうし、もう会ってくれないかもしれないって思って凄く後悔したんだ」そう言って私を抱きしめる。

そうさんの言葉が優しくて、なんだか切なくなってくる。

ずるいのは本当の私だ。セフレと言われても仕方ない事しているのだもの。

そうさんの本心の言葉を受け止めなきゃいけない。「答えはいらない」と言われても、答えを出さないのはずるい。それは分かっているのに、お泊りして、一緒のベッドで眠っていて良いわけがない。

緊張しながらそうさんに抱きしめられ、その後もなかなか寝付けずにじっとしていた。



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