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ひまわりの花束
第26章 大好き
少し寝返りを打ち、身体の位置をずらし気を紛らわせていると

「ちーちゃん眠れないの?」頭の上から声がして来た。

「あ、はい」小さな声で答える。

再び沈黙が流れる

大きく深呼吸をするような呼吸音がしてそうさんが話し始めた。

「ちーちゃん本当は帰りたかったのに、また俺の我がままだよな」

「我がままなんて言わないでください。私が決めた事なので」

そこまで言うと更にギュッと抱きしめられ言葉が続けられない。

そうさんに抱きしめられながら、沈黙が流れる。

灯りの落とされた部屋を見つめながら、どうしてそうさんの事を受け入れきれないのか、考えていた。

いつもやさしく、私の気持ちを考えてくれる。

嫌な思いがあるわけではないのに。

もし、そうさんが体調を崩してもこんなに心配してあげる事が出来るかどうかわからない。

そう思うと、自分が意地になっているとしか思えない。

何で?自分の気持ちに問いかけてみても、なかなか答えが思い浮かばない。

自分の中では明先輩の事はもう過去になって、終わりになっているのに。

後は私の我がままでしかないのだろう。

意地を張って素直になれないだけなのか、身体からの関係でズルズル来ている自分が許せないのか、わからない。

私が答えをださないからそうさんを悩ませているんだ。

そうさんをこれ以上は傷つけたくないからもう、自分の思いに向き合わなければ、そう思うと涙が溢れてきてしまった。

泣いたらダメ。そうさんが気付いたらまた心配をかけてしまうだろう。
お願い涙止まってと、思いながら気がつかれない様に深呼吸をする。

息を殺した深呼吸の間に涙をそっと拭いた。

私を抱きしめる力は変わらないからそうさんはまだ起きているのだろうな。

それからそうさんが寝付くまで、ずっと息を殺しながらじっとしながら自分の気持ちを考えていた。

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