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ひまわりの花束
第8章 梅雨明け

土曜日、みきちゃんが気分転換だよと遊びに誘ってくれる。
「何処に行くの?」
「海でも見に行こうか」
・・・・海か。色々思い出す事が多すぎて気乗りがしないけれど、反論する元気もなく、待ち合わせの駅に向かう。
電車の中は海に遊びに行く親子やカップルの楽しそうな会話で賑やかだった。
先週の明先輩との出来事は、すでに電話で話してあったので、それ以上は聞かれなかったけれど、まだ思いが残っている私の気持ちを知っているみきちゃんには
「明先輩別れようってはっきり言わなかったのは、やさしさ半分、ズルさ半分だよね」と
きっぱりと断言されていた。
海の近くの住宅街の駅前の古本屋にふらりと入る。
本が大好きなみきちゃんが、難しそうな本を見つけ、
「重いけど買っちゃおう!」と嬉しそうに見せてくれる。
夏の日差しの中、丘の上へ続く坂道をのんびり登っていく。
「ここ、地元の人しか知らない穴場のカフェだよ、1度来てみたかったんだ」
住宅街の端っこの静かなカフェへ案内してくれた。
お昼をだいぶ過ぎた時間の為か、ほぼ貸し切りのカフェ。
大きな窓の席に座ると、家並みの向こうにキラキラ光る海が見える。
のんびりとした時間が流れていく中でランチを楽しんだ後、
「この先の坂を下りた所に、美術館があるんだよ。ちーちゃんの好きそうなお庭もあるよ」
みきちゃんが笑いながら誘ってくる。
2人で初めて行く美術館へ向かった。
どんな展示をしているのだろう?そっと美術館に入ると、日本画だった。
屋外の暑さと喧騒を全く感じない、エアコンの効いた、静かな空間が心地いい。
久しぶりにゆっくり絵画を鑑賞した気がする。
庭を眺められるソファーに座り、手入れの行き届いた庭をボーっと眺める。
何の花だろう?薄紫の花がとても綺麗だ。白い花を咲かせた木がかすかに風で揺れている。
「本当に庭見るの好きだよね。仕事人間」ミュージアムショップから出て来たみきちゃんが隣のソファーに座る。
「違うよ。庭が好きだから今の仕事してるんだよ」と2人しばらく庭を眺める。
「何処に行くの?」
「海でも見に行こうか」
・・・・海か。色々思い出す事が多すぎて気乗りがしないけれど、反論する元気もなく、待ち合わせの駅に向かう。
電車の中は海に遊びに行く親子やカップルの楽しそうな会話で賑やかだった。
先週の明先輩との出来事は、すでに電話で話してあったので、それ以上は聞かれなかったけれど、まだ思いが残っている私の気持ちを知っているみきちゃんには
「明先輩別れようってはっきり言わなかったのは、やさしさ半分、ズルさ半分だよね」と
きっぱりと断言されていた。
海の近くの住宅街の駅前の古本屋にふらりと入る。
本が大好きなみきちゃんが、難しそうな本を見つけ、
「重いけど買っちゃおう!」と嬉しそうに見せてくれる。
夏の日差しの中、丘の上へ続く坂道をのんびり登っていく。
「ここ、地元の人しか知らない穴場のカフェだよ、1度来てみたかったんだ」
住宅街の端っこの静かなカフェへ案内してくれた。
お昼をだいぶ過ぎた時間の為か、ほぼ貸し切りのカフェ。
大きな窓の席に座ると、家並みの向こうにキラキラ光る海が見える。
のんびりとした時間が流れていく中でランチを楽しんだ後、
「この先の坂を下りた所に、美術館があるんだよ。ちーちゃんの好きそうなお庭もあるよ」
みきちゃんが笑いながら誘ってくる。
2人で初めて行く美術館へ向かった。
どんな展示をしているのだろう?そっと美術館に入ると、日本画だった。
屋外の暑さと喧騒を全く感じない、エアコンの効いた、静かな空間が心地いい。
久しぶりにゆっくり絵画を鑑賞した気がする。
庭を眺められるソファーに座り、手入れの行き届いた庭をボーっと眺める。
何の花だろう?薄紫の花がとても綺麗だ。白い花を咲かせた木がかすかに風で揺れている。
「本当に庭見るの好きだよね。仕事人間」ミュージアムショップから出て来たみきちゃんが隣のソファーに座る。
「違うよ。庭が好きだから今の仕事してるんだよ」と2人しばらく庭を眺める。

