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ひまわりの花束
第8章 梅雨明け
せっかく海に来たんだからと海岸へ降りてみることになった。

午後の日差しがまだ残っていて、夏の海らしい蒸し暑さを感じる風が吹いて来る。

「夏の海に来て、泳がないなんて初めてだよ」

「泳いじゃえば良いじゃん」といたずらっ子のようにみきちゃんが笑いながら
サンダルを脱いで、波打ち際を走る。

「待って!」スニーカーを脱ぎ、はしゃぐみきちゃんにつられて波を追いかける。

貝殻が落ちている足元に夢中になり、大きな波に気が付かず、慌てて逃げる。

「きゃー濡れた!」大きな声を出して笑う。

「やっと笑ったね、ちーちゃん」
みきちゃんの声にハッとして顔を上げる。

「もう、今日朝から全然笑わないんだもん」
今日一番の笑顔でみきちゃんが顔を覗き込んで笑った


沢山遊んで、堤防の上に座り、海の家で買ったジュースを飲みながら、海を眺める。

「ちーちゃんの笑顔が見れたから、今日は目標達成だね」
ぽつりとみきちゃんが言った。

「ありがとう。心配してくれて」

みきちゃんの心遣いがありがたかった。
でも明先輩の事を簡単に忘れられるわけじゃないけど。

「今年の夏は私が遊んであげるよ」
みきちゃんが海を眺めながらながら残りのジュースを飲み干した。










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