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ひまわりの花束
第12章 花火の夜
約束の時間、浴衣を着て駅前に向かうとそうさんが待っていた。

「お待たせしました。あれ?みんなは来ていないですか?」

「みんなは来ないよ」

「えっ?」

「ちーちゃんを誘ったんだよ。だからみんなは誘ってないよ」

えっ、2人きり?
私、浴衣着て来ちゃったよ。
なんでそう言ってくれなかったの?

「夏らしいひまわりの浴衣、その色ちーちゃんに良く似合うね」

そうさんが浴衣を誉めてくれる。

「ちーちゃんを誘ったつもりだったから」

気まずさに俯くと

「嫌だった?」

直ぐに返事を返せないでいたが
「せっかくの花火、行きましょう」

そう答えるとそうさんの表情が和らいだ。
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