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特別棟の獣~After story𓂃𓈒𓏸︎︎︎︎ 🕊
第10章 臨月~陣痛
陣痛が来る度に腰を摩っていたけど、朝の6時が過ぎた頃、百合の額からは冷や汗が出ていた。
「無理……ッ、痛いッ……」
「直ぐ看護師呼ぶからっ…」
背中を摩っても、痛みが和らぐことは無いみたいだ……
百合の手を握れば、こんなに握力あった?ってくらい強く握り返される。
看護師が来て内診をしたけどまだ6cm…
こんなに痛がってるのにまだなのかよ……
陣痛は5分間隔。
まだかかるのか……?
命懸けで陣痛に耐えてる百合に対して、俺は背中を擦ることしかできない。
こんなに自分が無力だと感じたのは初めだった…