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貴方を諦めます
第2章 彼はたまに甘えてくる
涼ちゃんから同じシャンプーの匂いがする。


布団に入ると、私の胸に顔を擦り付けてくっついてくる涼ちゃんが愛おしい。


この時間だけ、涼ちゃんの彼女に慣れたような気がする。


甘えてくる涼ちゃんの頭を抱きかかえていると私の瞼はどんどん下がってきて意識が遠のいていく。



「香織…、寝ちゃった?」


「………ん」



眠りに落ちる寸前、涼ちゃんの声が聞こえて、唇に温かくて柔らかい物が当たった気がした。


頑張って重たい瞼を少し開けてみると、目の前には涼ちゃんの綺麗な顔があった。



これは夢………?



だって涼ちゃんはこんなに私を愛おしそうな目で見ない。


大事そうに頬を撫でてキスなんかしない…。



だからこれは絶対夢だ……




こんな幸せな夢、覚めないでほしい───。
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