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貴方を諦めます
第21章 幸せな時間
「涼ちゃん…熱くない…?」

「うん」


私は熱いよ…

お風呂の温度というより、涼ちゃんから伝わってくる熱で逆上せそう。


「私、先に出ててもいい?」

「うーん…もう少し」


身体に回された腕の力が強まり、心臓がバクバクと音を立てる。


「香織、こっち向いて」

「む、無理…っ」

「お願い、キスしよ?」


狡い…

そんな甘い声で、しかも耳元で囁かれたら抵抗なんてできるわけない…


少し後ろを向くと、直ぐに唇を塞がれた。

直ぐに触れた唇を離して前を向こうと思ったけど、顎に添えられた涼ちゃんの手がそれを許してくれなかった。


口内を暴れ回る舌に酔いしれていると、空いたもう片方の手で胸を円を書くように揉まれて全身の力が抜けていく。


「んっ……りょ、ちゃ…」

「可愛い」
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