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貴方を諦めます
第1章 彼は女誑し
高校三年生の時、誰もいない保健室で私と涼ちゃんはひとつになった────。



初めては痛いって言うけど、涼ちゃんは優しくて痛みはあったものの、それはすぐ快感へと変わった。



あの時、エッチをしなければ良かったのかな…だなんて思ってももう遅い。



私は目の前の甘い蜜に誘われて溺れてしまった。



だから美紅の言葉が本当ならもう私は涼ちゃんの彼女にはなれない。



欲を処理されるだけの道具でしかないのかもしれない。



それでも側にいたいと思ってしまうのは私の意志が弱い証だ。



「そもそもどこがいいの?顔?」


「涼ちゃんは優しいよ」



声をかければ普通に会話もしてくれるし。


なんていったって講義中、隣に座れるのは私の特権だったりする。


他の子が隣の席に座ると分かりやすく嫌な顔をして他の席に逃げるのに「香織ならいいよ」と言ってくれる。
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