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貴方を諦めます
第13章 彼の想い

「ごめんね…、涼ちゃん」
「香織っ……」
「私ね、1週間前くらいに彼氏と別れたばかりで…今は彼氏とか考えられないと言うか…、涼ちゃんの事、あの頃みたいな気持ちで見れてないの……」
この3年で涼ちゃんへの想いは完全に吹っ切れていた。
だって大好きだった涼ちゃんに付き合いたいと言われたのに、その想いを受け取ることができない。
「いいよ、今度は俺が頑張るから」
「え?どういう────」
「また香織に好きになってもらえるように頑張るから。だからもう避けたりしないで…。勝手にいなくならないで…」
「…………ぅ…ん」
「ごめん、もう時間ないよね。週末の事、またLINEする」
名残惜しそうな顔をする涼ちゃんに「またね」とだけ伝えて、私はホームへ早足を向かった。

