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私のお部屋
第9章 良美先輩の彼氏
「別に居たっていいじゃん
飯は皆で食った方が旨いしさ」
男は立ち去ろうとする由香の手を引いて
出ていくのを阻止した。
「貴史ったらぁ…」
良美先輩はかなり不服そうだったが
男の機嫌を損なうのが怖いのか
「食べたら気を利かせて出ていってよね」と
由香に小声で念を押した。
「君が由香ちゃんだね?
君の事は良美から聞いているよ
だから、三人で食べようと
肉をたんまりと買ってきたんだ」
「今夜は貴史の奢りで焼き肉よ
ちゃんとお礼を言いなさいよね」
良美先輩とすれば
イチャイチャしながら食べたかったのだろう
なんだかものすごくイヤミったらしく由香に言った
「あ…私、お邪魔みたいだから…」
二人っきりになりたいのだろうなと
由香なりに気を利かせるつもりだったが
男は由香の手を引いて離してくれない。
「飯ぐらい三人で食べようぜ」
貴史と呼ばれる男は出ていこうとする由香を
強引に部屋の中に引き入れた。
「じゃあ…晩御飯だけ…」
タイミングを見計らって
さりげなく部屋を抜け出そうと思い、
久しぶりの焼き肉だけご馳走になることにした。
奮発したんだぜ
貴史がそう言うように
とても美味しい焼き肉だった。