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私のお部屋
第6章 危ない男

今夜は良美先輩の為に夕御飯を作って上げよう。

由香は冷蔵庫の中の食材で
鶏肉を見つけたので
唐揚げにするか、オムライスにするか悩んだ。

鶏肉が胸肉だったので
「あ~…唐揚げにするには
ジューシーさが足りないかな?
こりゃ、やっぱりオムライスに決まりね」と
まずはチキンライスを作ることにした。

『先輩の好みがわからないから
自分好みにしちゃおうっと』

由香の好み…
それは大量のケチャップを使い
ライスをべちょべちょにするのが好きだった。

パパやママからは不評だったけど
友人たちからは絶賛された。

『パパ…札幌で亜里沙さんと
よろしくやっているんだろうなあ…
ママはどうしているかしら、
やっぱり隣のオヤジと
毎晩ハメあっているのかしら』

不意に里心が湧きだしたが
私は自立しなきゃと
自分自身にハッパをかけた。

夕飯のチキンライスが出来て
後は卵で巻くだけという段階になって
ようやく良美先輩が帰宅してきた。

「先輩~、お帰りなさい
今夜はオムライスですから
楽しみに待っていてくださいね」

可愛い声でぶりっ子してみたが
良美先輩は何も答えない。

おまけに歩き方が何だか妙におかしい。
とてもスローモーで
そろりそろりと体を労るような歩き方だった。



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