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第16章 sixteen

スーパーに来てから愛結の様子が変だった。


急に僕の服を掴むし、その掴んだ手は震えている。


若めの男から隠れるように僕の後ろにくっついている。


どう見ても怖がっている。


愛結が「帰りたい」と言ったのはそのせいだろう。


人目を恐れているのは虐めが原因だと思う。


愛結をこんなにしてしまったのは僕のせいだ……。


普通に生活出来るようになるといいけど…。


「愛結、こっちおいで」


レジを終えて袋詰めをする時、なるべく人が少ないテーブルを選んで僕の前に愛結を連れてきた。


テーブルと僕に挟まれて少しは安心したのか震えが収まってきた。