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キミ、拾った。
第2章 出会い
楓はスッと立ち上がって、ヒラヒラと軽くてを振って見せた。
少年は眉毛をハの字にして見上げた。
「何よ。あたしは充分すぎるくらいの事をしたでしょうよ。何か不満?」
冷たく言い放った。
「ありがとうございました…」
素直にお礼を言われたものだから、楓はちょっとその少年が可愛く見えてしまい、もう一言言ってしまった。
「このあとどうすンのよ。ちゃんと家に帰れるの?」
すると少年は首を激しく左右に降った。
そして、ゆっくりと顔を上げてしばらく楓の顔をじっと見ていた。

「…何よ。もう帰るんだか」
「お願いします!!!」
楓の言葉を遮って大きな声を出した。
楓は驚いて、持っていたお茶を落とした。
そもそもなにがお願いなのか。
肝心なとこが、抜けているではないか?
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