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狂愛の巣窟 〜crossing of love〜
第2章 【愛しき人たちに囲まれて幸せなのです…】





娘の有紗はなんだかんだ言って、お付き合いしていた彼、松本理久くんとは続いていて同じ大学入るんだ!と勉学に励んでいたけれど、結局自分のやりたい事見つけて美容専門の大学へと進学した。
プロのメイクアップアーティストになりたいんだって。
美容師かネイリストって言ってたのが懐かしい。




大学進学と同時に学生寮へ引っ越しました。
女子寮だから、と許した部分もありますが門限までは遊び回っているそうです。
クドいようだけど「避妊はちゃんとしなさい」と言っています。
私と同じ道を歩んで欲しくはないですから。




「わかってるよ、今度そっちに行くから」




そう言ってたから楽しみにしてたのに。
訪ねてきたのは有紗ではなく、彼氏の理久くんで。
「え…?」と出迎えたら彼一人だったから少し気まずい。
どうしよう、亨さんにも今日は有紗が来るって言ってあったのに。




「僕だけですみません」




私の反応を見てシュンとする理久くんに戸惑いつつ中に招き入れる。




「有紗が仕向けたんでしょ?もうそれに振り回されなくて良いから」とスリッパを差し出した。
有紗が好きなメニューたくさん用意したんだけどな。




「有紗は後で来ます、僕が先に行くって言いました……ダメでしたか?」




彼が脱いだコートを掛けてあげて
「じゃ、それまでお茶してましょうか」と言ったらキッチンへ行こうとする手を掴まれました。
何気に、彼とは暫く振りです。
有紗と上手くいってるみたいだし、私からフェードアウトしました。




「ダメな事だってわかってます、そんな風に困らせたい訳じゃない、ただ、十和子さんと2人きりで会いたかった……有紗抜きで」




「また娘を裏切るの?それに、もう名前で呼ばないで……お義母さんで良いよ」




「嫌です、2人きりの時は……呼びたいです」




ズルいね、その上目遣いは。
何を言っても聞かない顔ね。
フイっと目を逸らしたからって立ち上がり抱き寄せてくる。
ごめんなさい、もうそういうのはちょっと…てな顔を向けても無意味なのね。
無理やり舌を入れてくる。
若い子からのキスは嫌じゃない。
独りよがりなキスも段々と可愛く思えてきました。










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