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狂愛の巣窟 〜crossing of love〜
第5章 【溺れる覚悟はありますか…】





「何で?壊すって言ったよ?まだイケるんだけど」




「壊れてる…!お願い、休憩させて」




「壊すって、俺も満足して初めて終われるんだけど?」




「じゃあ、ここからは本物のレイプだよ?望んでないんだから」




「それは嫌だ……でも収まらない、十和子さんが足りない、壊したいよ」




起き上がり鼻をムギュと抓んだ。
泣きそうな顔するの上手になったね。
たくさん嫉妬して怒ってるんだよね。
怒りが収まらなくて今にも泣きそう。
俯いてる顔を包み込んだ。




「ねぇ、一颯くん、一颯くんがそんなんじゃ夫婦にはなれないな」




「え、ごめん、やめる、壊さない、休憩ちゃんとする」




「うん、歳も違うから体力的なことも考えて欲しい…かな」




「わかった、ごめんね?頭冷やすよ、帰る」




「え、帰るの?ご飯は?食べてかないの?」




「え、良いの?やった…」




コロコロ変わる表情が見てて面白い。
嫌われちゃうかもってセンサーが働いたらめちゃくちゃ素直。
チラホラこっち見て様子伺ってるのも、秒で着替えて私の着替えも手伝ってくれるのも想定通り。




キッチンに立つ私の横で時折腰を擦って「大丈夫?」って聞いてくる。
わざと痛いフリすると「変わるから座ってて」と過保護ぶり。
亨さんと一緒。
さすが親子ね。
同じDNAだ。




「アハハ、大丈夫、我慢してくれたから……ありがとうね」




でも気を抜くとすぐにほら。
後ろからハグしてきて髪を除けて首にキスしてくる。
くすぐったいよって振り向いたらやっぱり唇重ねてきて一向に支度が進まない。
イチャつきたいのもわかるけど、さっさと準備したいのが本音。




「ただいま」と帰ってきた亨さんの元へ行き上着と鞄を預かる。
いつもならラフな服にすぐ着替えるけどスーツのまま食卓を囲むことに。
「大学はどうだ」って話し始めた親子。
もうすぐ卒業で大手企業に就職も決まっている息子に鼻が高い様子。




いつしか言ってた言葉を思い出す。
親父より良い会社に入って十和子さんを養うからって。
社会人になったら時間も拘束されるし、入社したては目まぐるしい毎日で自由なんて限られてくるだろうね。
だから今はなるべく会いに来たいって言ってる。







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