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エリートサラリーマンの転落
第6章 告白その5:さらなる刺激を求めて
それで、深夜、会社から帰る際、洗濯物が干していないかと、住宅街を彷徨ったり、公園のトイレに籠もって、誰か来ないかと待っていたり、警察に職務質問されてもおかしくないような、本当にバカなことばかりしていましたが、そんな時、「こいつが凄いんだよ。小さいのに、はっきり映るんだ」と、先輩が防犯用に購入した監視カメラのことを教えてくれました。

次の瞬間、「これだ!」と、あるアイデアが私の脳天を突き抜けました。さっそく、その週末、秋葉原の電気街を周り、「夜中に、門扉の前にゴミを捨てる奴がいて困るんだ」ともっともらしい話をして、小型の監視カメラを探し求めました。

「これがいいですよ」と普通は門扉に取り付けるタイプが出てきます。それを「常習犯だから、気がつかれないように監視して、とっちめてやりたいんだ」といって、店頭には並ばない、探偵事務所が使うような特殊なカメラを求めました。高額でしたが、とにかく、それが欲しくて欲しくて、「よし、それに決めた」なんて、私はその時から興奮が止まりませんでした。

それで、とうとう、本物の覗き屋の道に入ってしまいました。40歳の時です。

「明日、会社に行くから」
「えっ、またですか」
「仕方がないだろう、忙しいんだから」

どなたもご経験があると思いますが、せっかくの休みなのに出勤する、嫌なものですが、私は頻繁に行いました。でも、私の場合、「出勤」するのは会社ではなく、会社の近くのデパートでした。コインロッカーからスポーツバックを取り出し、それを持ってデパートに行きます。トイレで繋ぎの作業服に着替えると、そのトイレにある掃除道具入れにスポーツバックを入れ、私はバケツを手に女子トイレに向かいます。
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