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第40章 愛憎

体が悦んでいることに気づいた遥人さんは、私の両足を広げて花びらを噛んで引っ張り、花蕾を指先で抓った。

体をよじる私を、これまでにない獣のような目で見つめてくる。

私はその遥人さんに潜む凶暴な何かに触れた気がして、体が震えた。

恐怖で震えているのか、悦びに震えているのか自分でもよくわからなかったけど、遥人さんに抓られた花蕾の下からは、たらたらと蜜がしぼりだされるように零れた。

遥人さんは私の両手を掴んで頭の上に留め、顔に跨ると性器の先端を唇の隙間に無理やり押し込んだ。

すでに硬くなった遥人さんの長い性器が喉に届いて私はえずいた。

遥人さんが抽挿するたびに、私は、ぐごっ、んぐっ、と恥ずかしい声を漏らしながら唇の端から唾液を垂らした。

息が苦しい。遥人さんはハアハアと息を荒げながら、私の顔めがけて激しく腰を振り落とした。

私は苦しさを紛らわそうと体をくねらせ、両足をすり合わせたりした。こすれ合った両足の間がぐっしょり濡れていて、自分が感じているのが分かった。

きつくされても、体は久々の生きた心地に悦んでいた。

遥人さんの陰茎が、歯を立てたら弾けてしまいそうに硬さを増したそのとき

「おおっ、いくっ」

一層激しく突かれ、吐き気をこらえながら涙ぐんで顔をしかめていると、喉の奥に勢いよく温かい精子を流し込まれた。

引き抜かれると同時に飲み込んだが、遥人さんの陰茎にまとわりついた粘液が白い糸を何筋もひいて唇と性器をつないだ。


「黎佳…きつくして、ごめんね」

遥人さんは精子を放出すると、まるで憑き物が取れたかのようにいつもの優しい遥人さんに戻っていた。

私は首を激しく横に振った。

私をきつく抱きしめ、頭の後ろを繰り返し撫でる遥人さんに、ぎゅっとしがみついた。


互いの腕の力に、ある種の覚悟のようなものがみなぎるのを感じていた。