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千年の恋
第7章 乳首
=黎佳=

私が小学校4年生になるころには、スミレちゃんの仕事はさらに忙しくなり、ほかに好きな人ができたみたいで、家を不在にすることがさらに多くなった。

けれども一人で過ごすことに慣れた私は、宿題や学校の準備などは当たり前に自分でできるようになったし、一週間分の食事代をスミレちゃんからあずかってやりくりすることも覚えた。

塾や習い事を始めたいと言えば、スミレちゃんは快くいかせてくれたので、月水金は塾に通い、木曜日はバレエ教室に行って寂しさを紛らわせた。



そのころからおじさまは、忙しいにもかかわらず以前より一層私のことを気にかけてくれて、夕食をごちそうしてくれたり、スミレちゃんが帰らない夜は泊ってくれたりもするようになった。



小学校4年の冬の終わり、私はおじさまに添い寝をせがんで冷たい布団の中におじさまと一緒にくるまった。

うつぶせになって顔を横に向け、おじさまの胸に鼻先を当てていると、胸元に違和感を感じた。

「おじさま、なんだか、ここがコリコリして痛い」

「なんだって」

おじさまは慌てて起き上がった。

仰向けのまま自分のパジャマのボタンを外して胸元に指先で触れてみると、両方の乳首がわずかに膨れて尖っていた。

「あれ…ちょっと腫れてる」

私が言うと、おじさまはその小さな膨らみをまじまじと見つめ、指先でそっと押した。

「痛い?」

おじさまは恐る恐る私に尋ねる。私は首を横に振った。

こんどはおじさまは、低い円錐形状にわずかに膨らんだ桃色の乳首の形を、触れるか触れないかの柔らかさでさわさわと形をなぞった。

痛いどころか、そうされるうちに胸が苦しくなり、はあはあと呼吸が小刻みになってしまった。
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