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横を向いて歩こう
第6章 あなたがつけてくれなくても
ベッドの上でものほしそうに指を咥えて彼を見つめる

攻められてタジタジになっていた

「はあ、、、、もう、、、だめっ、、、」

夢見心地にうっとりして思わず彼のベルトに手をかける

「幸子ちゃん、、幸子ちゃん、、、」

遮られる

「今日は、、ゴムないし。」

「あ、、、。」

あたしったら
なんてモラルがないのかしら
あんなに心配してたくせに
ちゃんとしてなかったのはあたしの方だった

お兄さんはあたしのブラトップを元に戻し
捲れ上がったスカートも伸ばし
あたしが横たわるベッドに何も言わずそっと腰掛けた

恥ずかしい
一人でこんなに盛り上がっちゃって

ぐるぐる考えていると彼が口を開く

「女性はさ、体に変化が起こるからさ。」

「ごめんなさい、あたし、、なんか先走って。。」

「ううん、嬉しかったよ。だけど、、大切にして。」


いつの間にかしゃくりあげて泣いていた

久々の恋愛に舞い上がって
肝心なことをおざなりにしていた

もっと彼と話すべきなのに
嫌われたくなくて繋ぎ止めたくて逃げていた
でも、それじゃあたしは何も変われない

そっと手を握られる

「解放感なんて嘘。あたし寂しい。その癖いざ愛されると怖くて逃げてしまう。」

この人には何故か本音が言えた
このまま身を預けてもいいと思えるくらい


「思い通りに生きればいい。」

「だったら抱いてよ。ばか。」

「ははは、まさきゴム持ってっかなー。」

あたしもつられて笑う

彼は泣いてるあたしの頬を挟んで短いキスをした

「なるようになるよ。上手くいかない時もあれば上手くいっちゃうときもあるし。」

「そうね。」

「男なんていっぱいいるさ。誰に泣かされてっか知らないけど。」



その夜はどっぷりと眠った気がした
いつお兄さんが出ていったのかも覚えていない
きっとあたしが寝たのを見届けてくれたのかもしれない


翌日、下腹部の痛みで目が覚め
めでたくショーツにどろっと血が付いていて安堵して

あたしの中でお兄さんのあだ名は月男となったのは言うまでもない




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