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夢見る夢子
第2章 松岡尚子の体
夢子が自分の体に戻って目覚めると
天井は見知らぬ真っ白に色に塗られていた。
「えっ?教室じゃない…」
思わずそう叫ぶと
「夢子!気がついたの?
よかったわ!夢子ぉぉ!」
母が泣きじゃくりながら
寝ている夢子に抱きついてきた。
「ドクターを呼ばなきゃ!」
父も夢子が寝ているベッドの傍にいて
しきりにナースコールを押していた。
『どうされましたか~?』
取り乱す父と母に比べて
やけに落ち着いたナースの声が
天井のスピーカーから流れた。
「娘が!娘が目を覚ましたんです!!」
早く来てください!と
父はありったけの大声で叫んだ。
夢子は放課後、
下校時間を過ぎて
教室の戸締まりに来た担任に
机に座って気を失っている夢子を見つけたのだそうだ
揺すっても、声をかけても目を覚まさない夢子を
心配した担任が病院に救急搬送したのだそうだ。
ドクターはいろいろと検査をしたけれど
どこにも異常がなく首を傾げていた。
「まあ…過労の一種だと思いますけどねえ」
一晩様子をみて、
なにもなければ明日にでも退院してください。
ドクターとしては、
そう言う以外仕方なかった。
『そっか…教室で離脱するのは考えものね…』
時と場合を考えて幽体離脱しないと
離脱中は元の体は脱け殻みたいになるのだと
夢子は離脱する時と場合を考えなければと反省した。