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I‘m yours forever
第5章 美月は何も知らなかった 後編
「そんな辛い境遇の中で、道を踏み外すことなく、教職に就かれた事はすごいと思います....」
「早々に、両親を赤の他人に近い同居人という認識に切り替えた。他人同然の親の言う事に一切耳を傾けず情報収集を行った。その結果、知識は財産となる事を知り、勉強に励んだ。それが功を成して趣味となり、将来それを生かせる職業につきたいと思っただけだ。何も難しい事ではない。」
「中々、出来ませんよ。私がそんな状況なら、とっくの昔に不良児になってしまいますもの。努力だけではなく屈強な精神力とか色々兼ね備えてないと絶対出来ません。よく苦難を乗り越えられたなぁって思います。」
「残念ながら乗り越えられてはいない。改名は出来たが、未だに養子縁組の解消には至っていないからな。」
「え!?あ...そっか....離縁していたら何故結婚式に招待するのかという話になりますよね...」
「その通りだ。戸籍上親子関係が継続しており、念の為、彼らの顔を皆に知ってもらう為に呼んだだけだ。離縁が出来ていれば呼ぶ必要性は無い。」
「何故離縁が成立しなかったんでしょう?黎一さんに無関心の筈なら、拒否する事も無いのに.....。」