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I‘m yours forever
第2章 美月、奮闘する
「美月、待っていたよ。綺麗だ。」
キングサイズのベッドの端で優雅に足を組んで腰をかけていた彼はとてもカッコ良かった。
仕立ての良いグレーのスーツが良く似合っている。
男前だった。
こんな男を果たして興奮させる事が出来るのだろうか?
キングサイズベッド横に置かれたギャグボールや手錠等の玩具の数々に美月はギョッとした。
どう見ても輪投げではないし、指輪にしてはデカすぎる、ただの輪っかにしか見えない玩具も発見した。使用用途は全く分からない。
.......すいません、多分そこら辺は使いません。使えません。
心の中で彼に謝りながら、その山積みにされた玩具の横を通り過ぎ、足を組み頬杖を付いた彼の前に私は立つ。
緊張で鞭を握る手に汗が滲む。
そもそも見上げられるという状況に慣れていない。
「...ちょ、ちょっと待って。」
そう言うと私は一見、考え事をしているように見える彼の方へ背中を向けた。
......どうしよう。
結局最初なんて切り出せば.....。
“ブヒブヒ鳴けよ!
罵られたいんだろう?この豚野郎!“
.....駄目だ....またしてもドン引きワード....。
もうギブか?早くもギブなのか私!?
ただのプレイだと分かっていても、無駄に真面目な私は、あーでもないこーでもないと思い悩む。
まずい...黎一さん、待たせちゃう。
体感的には15分は優に超えたかと思われたが、丁度目線の先にあった壁掛け時計を確認すると、まだたったの3分しか経っていなかった。
...とその時、黎一さんが自発的に動いたのを私は背中で感じた。