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I‘m yours forever
第1章 美月、傷つく



黎一さん私の旦那様なのに、ボディーガードって(笑)

よっぽど買い物の付き添いに行けなかったのが嫌だったんだろうなぁ....。

まあでもこの機会に私に対して、異様に財布の紐が緩む謎の癖も治ってくれるといいんだけどなぁ....。


彼の電話が終了すると、信号が青へと変わる。イヤホンを外したスマホをポケットにしまい、横断歩道を渡って行きつけの百貨店へと足を進めた。


「すみません。芸能関係の仕事に興味はありませんか?」


背後から声をかけられてびくりとする。
だが、まさか自分だとは思わずに無視して歩みを進めていると、再び「すみません」と声をかけられた。


「何でしょう....?」


2回目となると無視出来ずに、私は振り返ってしまった。全身をハイブランドのグッチで揃え、典型的なストリート系ファッションのような格好をした一見爽やかそうに見える男だった。


「失礼、私、ホリプロのオーディション実行委員の尾崎と申します。とてもお美しいですね。ご職業は何をされているのでしょうか?」


そう言って、尾崎と名乗った男は名刺を渡してきた。

ホリプロと言えば、大手芸能事務所だ。

そんな大手が何故私なんかに声を...?


「.......。教師をしております。ごめんなさい、芸能関係の仕事に興味は無いです。」


事務所、住所、電話番号が書かれた名刺を受け取ったが、イマイチ信用出来なかった私はそう断って立ち去ろうとした。


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