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ふぞろいのザクロたち
第8章 裏取り引き
「じゃあ、僕たちシャワーを浴びてきます」
そう言って恵美里の肩を抱いて
浴室に向かいかける京塚に
「お前がシャワーを浴びてどうするんだ」と
広と恵美里を引き剥がした。
「えっ?だって僕と彼女の性交をとるんでしょ?」
「誰がお前に美味しいとこをやるって言った」
緑川が脱衣しながらそういった。
「えっ?」
「綺麗なお嬢さんじゃないか
ここは俺と緑川が可愛がってやるよ
お前はカメラマンだ」
ほれ、お前の商売道具だぜ
そう言って笹岡は
京塚広にビデオカメラを手渡した。
「ちょっと待ってくれ
それじゃ話が違うぞ!」
「そうよ…私だって広さんとの絡みだから
出演をオッケーしたのに」
緑川が恵美里を浴室に連れていこうとするのを
彼女は必死にその手を振りほどいた。
「おいおい…昔のよしみでギャラを
弾んでやろうってのに
契約を破棄するつもりかい?」
緑川が呆れて言い放った言葉を受けて
「女優さんがやる気がないなら仕方ねえ
おい、撤収だ!!」
笹岡が機材を片付けろと
スキンヘッドの男に命じた。
「いや、撤収は困る!困るんだ!」
京塚広は慌てて条件を飲むことを了承した。
「あんたもそれでいいんだね?」
笹岡は恵美里に念を押した。
「…いいわ、私、覚悟を決めました」
そうこなくっちゃ!
緑川は恵美里の気が変わらないうちにと
承諾書に署名させた。