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恍惚の日々
第3章 裏腹
この三日間で答えが出せる自信などない。それでも何故か、素直に従うかなえだった。
自分の気持ちまで操られている感覚は持っていなかったが、かなえ自身の知らない、もう一人のかなえが動き始めていた。

「乾杯。」

ドンペリなんて初めて飲んだ。
味なんてわからない。
今のかなえは、何を飲んでも何を食べても味覚を楽しむ余裕はないのだろう。

「今夜はホテルの部屋をとってあるから、ここで食事をして、それから行こう。かなえは私の所有物として、決して逆らってはいけない。結論を出すのは三日後だ、解ってるね?」

「はい…」

「よし。いい子だ(笑)」


ある意味、夢見心地のまま、出されるディナーを食し、ホテルへと向かった。

アイマスクを外されてからは、一度も躯に触れない桐谷だったが、タクシーに乗り込むと、かなえの腰にさりげなく手を滑らせ、腰や尻の感触を楽しみだした。

ゾクリ!と背中に電気が走り、恥ずかしさとジワジワくる快感に下を向いてしまう。

この人は、ストーカーで高飛車な人なのに…
こんな人の手技に躯が熱くなる。


通された部屋は、最上階のロイヤルスイート。
ここは東京?と思うくらい街が煌めいて、ロマンティックな雰囲気になる。


「素晴らしい見晴らしだろう?」


「素敵…」
かなえが経験したことのない現実が目の前に広がっている。
セレブ感満載のこの空間で、これから起きることへの不安を抱えつつも、感激は隠せなかった。


「シャワーを浴びてきなさい。バスローブがあるから、それを着てくるように。もちろん、素肌に纏うだけだ、わかったね?」

「はい…」

着ていたドレスとスリップ、ブラジャー、パンティーを脱ぎ落とすと、途端に不安と恐怖が襲ってきた。


「怖い…逃げたい…」




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