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第3章 聖域

要が怒るのも無理はなかった。


普通の使用人は別の部屋の休憩室で食事を摂るし、宿直の使用人部屋もその並びにあるのだ。


そっちを使わずに、誠と同じ階に住むのも許せなければ、自分の向いの部屋に逢里が、使用人の娘が待遇良く迎え入れているのも気に入らないのだ。



「要は気難しい子ね、相変わらず。」



淳子に軽く笑われると、要は真っ赤な顔をして怒り、膝にかけていた布巾をテーブルに叩き置き、席を立った。



「お先に失礼します。」



美沙と逢里はビックリしていたが、誠は苦笑するも淳子はそのまま食事を続けた。