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砂漠の月、星の姫~road to East~
第2章 第二夜【国境の月~road to east~】
「あ―」
今、タリムの眼の前で、懐かしい祖国の最後の様子がまさに語られていた。王宮までの大路の両脇にはリーラの樹が並び、数年に一度花開けば、馥郁とした花の香りが風に乗って宮殿まで届いてきた。王宮前の広場の噴水を囲み、人々は憩い、自由を満喫したものだ。
王宮をぐるりと取り囲むように平民たちの住まう家々が立ち並び、市の立つ日は早朝から騒がしいほどの賑やかさで活気に満ちていた。