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砂漠の月、星の姫~road to East~
第3章 第三夜【砂の蜃気楼】 
 ましてや、姫はその美しい外見と共に、傍仕えの侍女や老いた庭師にまで心配りを忘れない優しい心の女性だ。ゆえに、姫を慕う侍女はいても、嫉妬する者は一人としていない。 ソニンは、今、鏡に向かうタリム姫の髪を丁寧に梳っている。うっかり者の彼女は、幾度も櫛を持つ手に力を入れすぎてしまい、その度に姫は形の良い眉をわずかにキユッと寄せることになるのだが、姫はけしてソニンを叱ったりはしない。
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