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砂漠の月、星の姫~road to East~
第1章 第一夜【砂漠へ~road to oasis~】
ゆっくりと眼を開くと、聞き慣れぬ異国の言葉が飛び交い、人々の熱気と喧噪が満ちている周囲を見回す。あれは恋人同士だろうか、若い男女が駆け寄り、抱き合う。再会を歓び合っているのだろうか、若い女は泣いていた。彼女に男はそっと白いハンカチを差し出す。
光香子はそんな微笑ましい光景からそっと眼を逸らす。自分にはもう、あんな甘やかで優しい瞬間は二度とないのだと自分に言い聞かせながら。