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砂漠の月、星の姫~road to East~
第1章 第一夜【砂漠へ~road to oasis~】
が、果たして、この国の人々が何の神を崇拝していたのかすら、今日に伝わっていないのだ。その存在を知らせる文献といえば、あくまでも後の歴史書―しかも正式に編纂された正史ではなく、歴史家が残した個人的な著書―に頼るしかないのが現状なのだから。一説にはイスラームの影響を多大に受けた文化を持ち、アッラーを唯一絶対神として信仰していたとも、また、アミニズム―万物に宿る自然の精霊を崇拝していたともいう。