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砂漠の月、星の姫~road to East~
第1章 第一夜【砂漠へ~road to oasis~】
タリムの心に愛する男の心が痛いほど伝わってきた。彼は生きろと言っているのだ。すべてを諦めてここで果てるより、逃げてどこまでも逃げて生きよと言っている。それは恐らく、自分と共に死んでくれと言うより彼には辛いことに相違ない。
―どうか、姫、お元気で。姫がどこにいても、私は姫の幸せを心より願っています。
フィーロの唇を受け止めるタリムの瞳に大粒の涙が溢れた。その澄んだ涙を人差し指でぬぐってやり、フィーロはもう一度、姫の額に軽く口づけた。
―どうか、姫、お元気で。姫がどこにいても、私は姫の幸せを心より願っています。
フィーロの唇を受け止めるタリムの瞳に大粒の涙が溢れた。その澄んだ涙を人差し指でぬぐってやり、フィーロはもう一度、姫の額に軽く口づけた。