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砂漠の月、星の姫~road to East~
第1章 第一夜【砂漠へ~road to oasis~】
昔から東の果てには神がいて、大いなる生命の恵みをもたらす河があると語り継がれていた。この国の人々はずっと前から太陽を唯一の神として信仰していたのだ。
町外れでタリムは飼い主から離れた迷い駱駝を一頭手に入れた。夜明け前の町は既に完全に廃墟と化し、人の姿は殆ど見られなかった。息絶えた人々の屍が折り重なるようにして倒れ、家々は焼け、あるいは打ち壊され、無残な様相を呈していた。それはまさに滅びゆく国の有り様を表していた。
町外れでタリムは飼い主から離れた迷い駱駝を一頭手に入れた。夜明け前の町は既に完全に廃墟と化し、人の姿は殆ど見られなかった。息絶えた人々の屍が折り重なるようにして倒れ、家々は焼け、あるいは打ち壊され、無残な様相を呈していた。それはまさに滅びゆく国の有り様を表していた。