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砂漠の月、星の姫~road to East~
第1章 第一夜【砂漠へ~road to oasis~】
 そう、自分には大切に想うひとがいた。それは淳一ではなく、もっと別の男性だった。
―フィーロ様。
 かつての、はるか昔に別れた恋人の名を唇が刻もうとして、それは低い嗚咽に代わった。 光香子の眼に大粒の涙が溢れた。
―生きて下さい。
 恋人の別れ際の台詞が耳奥に残り、幾度も蘇った。
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